原田元気はいつも元気です。
実は今、日本より、F氏との共通の友人であるところのS氏が遊びにやってきていて工場に居候の居候をしております。
S氏はF氏が朝起きないため動くことができず、
「上海に来て、F氏の蔵書を全て読破してしまったよ」
と嘆いております。

洗濯も滞っているのでそれはそれはひどい異臭を醸しておりまして、居候の身でありながら、つねづね工場の方々から片付けろ、とのお達しを頂いている我々としては危険水域に近づきつつあると言えましょう。
さて、その洗濯に関連して洗濯機の話。
こちらの工場にある洗濯機、今や日本の家庭には珍しいものとなった二層式の洗濯機です。ここ10数年以来見ていなかった私はいささか郷愁の念を隠せなかったわけでありますが、P氏などは、
「めんどくさい…」
と嘆いております。
で、懐かしさに浸りつつ使っていたある日のこと、F氏が
「洗濯機の水が貯まらないんだけど、なんでかな?」
と聞いてきます。
工場の人に聞きますと、壊れた…とのこと。
壊れたのなら買いなおすか修理するか、というのが日本人的には普通の判断でしょうが、
…実はこの洗濯機、我々以外の人々はあまり使っていないようなのです。
数十人からいる工員さんをはじめ、社長親類までもが、みんな手洗い。
「どうして洗濯機を使わないの?」
と聞きましたら、
「習慣だから」
の一言。あんなに朝から晩まで働きながら洗濯も手洗いでこなすとは…。
私には到底考えられません。
で、洗濯機も壊れたので、余計に洗濯機が滞っているということなんであります。
この件のあと、誰が家庭の主婦の労働を劇的に省力化したこの発明をなしたのか、調べたら
…案の定、ものぐさっぽいアメリカ人の発明であることが判明しました。