原田元気はいつも元気です。
今日は私が中国に来ることになったもろもろの事情を少しばかり。
今、私が居候になっているこちらの工場は合成樹脂の加工工場で、
主にお人形系の仕事をしているようです。
今回一緒に来ているF氏は、企画屋で、彼の会社では秋葉系のフィギュアなども手がけており、今回の滞在は今後中国の工場でフィギュアを含む新製品を作るための足がかり、というわけです。
そんな彼が、暇をもてあまし、ぶらぶらしていた私に声をかけ、
何かおもしろいことないかな〜なんて思っていた私は一瞬で彼の魅力的な提案に乗ってしまった、とこういうわけです。
日本ではない国に住んでみる、というのは、私の昔からの希望でしたので、今回の滞在は私にとって願っても無いことです。
なお、彼は自身の会社の代表でもあり、ずっと中国にいるわけにもいかんので、将来誰かしら置いておきたいという事情もあります。まあ、私は彼の仕事の見習い、ということでこちらにやってきたというわけです。
中国の人々と話したりして、国際コミュニケーションのギャップを感じることがままあるのはもちろんですが、F氏もまた、私とはまったく違う考え方をしていて、そのギャップの大きさに驚くことがあります。
彼は企画屋として、自身に絶対の自信と哲学があります。
音楽業界の底辺労働者として、midiを毎日飽きもせず作っていただけの自分としては、彼の言いたいことは頭ではよく理解できるのですが、なかなか感覚的においついていけないことがままあります。
企画屋という仕事は頭の中でぐるぐるとアイデアを巡らせることがメインの仕事であって、midiを打つなどという単純労働と比べると、非常に外側に仕事をしているのが見えにくいという事情があります。
なんでも人と同じでないと気がすまない「小市民的」日本人の感覚だと
「あいつは遊んでばかりで仕事してないのに、なんであんな給料を貰って…」
などという発想になってしまうわけです。
この半年間の滞在で、企画屋見習いとして私はそういう彼の感覚に追いついていかねばなりません。
中国人とのコミュニケーションより、F氏との異文化交流の方が実は大変なのではないのだろうか、と思った原田元気でした。